新加坡マスオさん日記

シンガポールで働くソフトウェアエンジニアが想う日々の徒然

(シンガポール決済事情)キャッシュカードがSuicaとデビットカードとポイントカードとETCカードと図書館カードを兼ねている不思議

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先日、夫婦共同名義の銀行口座を作った話を記事として書きました。

sgdiary.hatenadiary.com

この時、事情により新たにキャッシュカードを作り直したのですが、日本ではありえないくらい1枚でてんこ盛りなすごいカードでした。銀行のキャッシュカードで使える機能は以下の通り。つまりは日常生活でお金使いそうなシーンは全て銀行のキャッシュカードでカバーできるわけです。

  • VISA Paywave(Suicaみたいな非接触決済)
  • NETS(デビットカード
  • ezlink (地下鉄とバスの運賃決済用のカード、日本のSuicaみたいなもの)
  • ERP(Electronic Road Pricing; 高速道路の決済。日本のETCカードみたいなもの)
  • お店のポイントカード(Cold storage, giant, guardian, TAPなど)
  • 図書館カード

日本で住んでいるといろんなサービスを受ける際に、それぞれカードが発行されるので、どんどん財布の中のカードが増えてしまう傾向にありますが、シンガポールでは1枚でこれだけサポートしているのはすごいと思いました。

おそらく決済の仕組みとしてはDBSが共通の決済の仕組みを提供して、各サービス提供企業から料金を徴収しているのだと思います。消費者としてはカードの管理が減って嬉しいと思います。ただし、カード1枚なくすと一気に生活に支障をきたすので、不安になりますね^^;

一般的なシンガポール人は韓国と日本の区別がついていない

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Photo by Sunyu Kim on Unsplash

先日、誕生日を迎えたのですが、シンガポール人である義母が僕にワカメスープを作ってあげたいが、作り方が分からないと密かに悩んでいたそうですが、?と思っていたら、それは韓国の習慣であることがわかりました(韓国人の同僚に確認)。

また、会社のオフィスが入っているショッピングセンターのフードコートへランチでよく行きますが、「Saba fish set」というメニューがあるし、出てくるスープは日本でよく見るワカメスープではなく日本的な味噌汁が出てきます。

日本に住む同僚の韓国人に聞いてみると、「サバは日本語なので韓国料理のメニューでsaba fish setはおかしいですね。韓国にも味噌汁はあるけど辛味噌を使うので、日本の味噌汁とは少し違います。日本と韓国がごっちゃになっているのは海外でよくあることですよね。^^;」とのことでした。

なるほど。シンガポールの民族的多数派は中華系ですが、東アジアでも日本と韓国は中華系ではないので、違いがよく分からないグループとして一緒にされているのかもしれません。

私はアメリカのサンフランシスコ、フランスのアヌシーで働いた経験がありますが、中国・韓国・日本をちゃんと区別できている人はほぼいませんでしたし、海外の認識はこんなもんかもしれません。

日本はアジアでも有数の経済・文化の国なのに残念と思う方も多いと思いますが、日本人でヨーロッパ各国(特に東ヨーロッパ)が歴史・文化的にどう違うのか答えられる人はほぼいないと思います。東南アジアはどうですか?アフリカは?南米は?どう違うのか答えられないですね。

これだけ経済的・文化的に繋がりが強い現代のアジアにおいても、これが現状なので、ちょっと笑ってしまった一方で、日本の認知度を東南アジア、特にシンガポールで上げていたいと思いました。

(シンガポール決済事情)共同名義の銀行口座、1つのキャッシュカードで複数口座の引き落とし

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共同名義の銀行口座

日本では、共同名義の銀行口座は作成できないため、夫婦で生活費を管理する共同の口座を作るには場合は、片方の名義で口座を作成し、配偶者用に代理人(家族)カードを発行するしかありません。

代理人カードは口座から現金を引き落とすことには使えますが、名義が共同ではないので、支払い時には名義人の同意が必要など色々と制約事項があります。

一方で、シンガポールは共同名義の銀行口座が作成できます。共同名義の口座では、以下のどちらかの使い方ができます。

  • 名義人の立場を対等・・・・夫婦での管理に向いている?
  • 第一の名義人を選ぶ。第二の名義人が手続きする際は、第一の名義人の同意が必要。・・・子供に口座を作ってあげる時に向いている?

後者の選択肢を取った場合の制約事項はちゃんと調べていませんが、ユースケースによっては共同名義にした方が手続きが楽になる場合が多いのではと思います。

1つのキャッシュカードで複数口座の引き落とし

また、口座を複数持った際の地味に嬉しい機能としては、単一のキャッシュカードで複数の口座の管理ができる点です。日本の銀行の場合、口座に対して1つのカードが発行されていたので、カードの管理が面倒でした。

また、シンガポールのキャッシュカードはデビットカードを兼ねているので、デビッドカード決済した際に、引き落としの口座を選ぶことができます。

想定するユースケース

僕が今考えているユースケースは以下です。これから運用を始めるので、良い点、悪い点が見えてきたらまた何か書こうと思います。

  • 給与の振込先は、個人の口座にする。
  • 給与のうち、決まった割合を生活費として、共同口座に振込する。
  • デビッドカードの引き落とし先は、生活費用の共同口座にする。

(シンガポールのキャッシュレス決済事情)決済サービス共通のQRコードでどのアプリでも決済できる

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お店でよく見かける決済用のQRコード(straits timesの記事より引用)

www.straitstimes.com

本日は、日常的に使う決済サービスの話です。先日の記事で、銀行口座を作ると、デビットカード付きのキャッシュカードが貰えるという話を書きました。

私みたいな外国人は、クレジットヒストリー(信用履歴)が無いので、最初に使える現金以外の決済手段デビットカードです。その他にクレジットヒストリが使える決済手段として、QRコード決済がありますので、今回はこれについて紹介します。

QRコードといえば、中国で爆発的に普及していることで有名ですが、シンガポールでもかなり普及していて、QRコードをサポートしているロゴが書いてあるお店をよく見かけます。先ほどリンクを貼った記事はホーカーセンター(低価格の屋外フードコート)でQRコードをサポートし始めたという記事です。2〜3ドルで食事できるホーカーセンターですらサポートしているので、その他でも使える場所は多いです。

地元の人々を見てても、数千円未満の小口の決済であればデビットカード(NETSやVISAなど)と並んでQRコードで決済しているのをよく見ます。

このQRコードは、政府が主体となって統一化した規格であり、様々なサービスで共通に利用できます。

Singapore Introduces Worlds First Unified Payment QR Code

例えば、銀行でオンラインバンキングする場合は、銀行が提供しているアプリをよく利用します。このアプリにもQRコード決済の機能があり、QRを読むと決済できるようになります。

また、Singtel(シンガポールのNTTのような会社)のアプリでも、QRコード決済し、携帯電話料金で支払いする機能があります。

政府がQRコードを推進しているのは、おそらくICカードや非接触系端末を使うサービスだとお店側が端末を用意する必要があり、コストの問題で普及しにくいからだと思います。

コスト的に安い決済手段を政府主導で統一化することで、ホーカーセンターのような安い食事場所でもキャッシュレス決済を浸透させているのです。今後、東南アジアでQRコード決済が普及する先駆けになりそうです。

シンガポールでの銀行口座の開設

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実際に生活し始めたら、真っ先にやらないといけないのが銀行口座の開設ですね。当たり前ですが、まず、会社からの給料受け取りに必要です。

僕の会社の場合、会社で契約する健康保険の加入要件の一つが銀行口座を持っていることだったので、健康保険の契約に必要だったので、いち早く開設が必要でした。

銀行は様々ありますが、会社指定の銀行の一つで、嫁さんも使っているDBSにしました。 通常の普通預金の口座はいろいろ種類ありますが、サービスは手数料が異なります。一番ベーシックな口座のDBS Multiplier Accountを選びました。

https://www.dbs.com.sg/personal/deposits/savings-accounts/dbs-multi-currency-autosave

開設そのものは、オンラインで申請できるため、わざわざ銀行まで行く必要ありません。必要な文書が揃って入れば5営業日以内に開設され、キャッシュカードなどが送付されてきます。 といいつつ、僕の場合は、会社の入っているビルの2階にあったので、午前中に銀行に行って手続きしてきました。

口座開設に必要な書類

口座開設には以下が必要です。IPAは、以前の記事で書いた通り、シンガポール渡航する前からもらえますので、住所が確認できる書類さえあればシンガポールについてすぐに開設できます。

  • パスポート
  • 電話番号
  • Work permit (E-pass or S-pass)もしくはIPA
  • 住所が確認できる書類(電話料金や光熱費などの支払い明細書もしくは、会社から発行する在職証明書)

この中で住所が確認できる書類が曲者です。シンガポールについたばっかりで、電話料金や水光熱費の支払明細があるわけ無いと思いますし、そもそも家が決まっていない場合もあるかもしれません。 その場合、仮住まいでも、会社にレターヘッドありの在職証明書を発行してもらうと何とかなります。

書類さえ揃っていれば、すぐに口座が開設され、キャッシュカードとデバイストークン(オンラインバンキングの認証用)がもらえます。

キャッシュカードがデビットカードとしても使える!

日本の銀行のキャッシュカードはキャッシュカードとしての機能しかありませんが、シンガポールではデビッドカードも兼ねている場合が多いです・ 海外に渡航した直後は、その国での信用履歴(クレジットヒストリ)がないので、デビッドカードは現金以外で持てる数少ない決済手段の一つです。

口座を開設した時点で、デビッドカード機能キャッシュカードをもらえますので、決済のバリエーションが広がります。

  • NETS: シンガポールローカルのデビッドカード・サービス。クレジッドカードのようにICカードで認証するパターン、あるいはSuicaのように非接触タイプで決済できるNETS Flashがあります。
  • Visa: こちらも非接触タイプのPaywaveが使えます。Paywaveは日本ではあまり見たことありませんが、ヨーロッパやシンガポールでは割と一般的のようです。

以上で、銀行口座の開設でした。

シンガポールでの就労ビザの申請手順 2018年版

海外で合法的に働くには、当然ですが、その国の就労ビザが必要になります。また、携帯の契約や銀行口座の開設で必要になるため、生活の基盤です。

このブログでは、私が2018年10月にシンガポール就労ビザを申請した際の手順について紹介します。

(注)ビザ申請の手続きは、シンガポール国内の法律改定や、申請者の状況によって変わります。実際のビザ申請方法は、人事やエージェントに確認してください。

就労ビザの種類

就労ビザの種類はMOM(Ministry of Man power)のウェブサイトに記載されています。

www.mom.gov.sg

様々な種類がありますが、日本人に関係するのが主に以下の2種類です。 ビザによって申請可能な要件が異なり、ビザの種類によってシンガポールでできることも変わってきます。詳しくはリンク先を参照ください。

  • Employment Pass: For foreign professionals, managers and executives. Candidates need to earn at least $3,600 a month and have acceptable qualifications. (専門家、マネジャーまたはエグゼクティブ向け。最低月収は3600ドル。その資格を満たしている者。)
  • S pass: For mid-level skilled staff. Candidates need to earn at least $2,200 a month and meet the assessment criteria.(ミドルレベルの技能のスタッフ向け。最低月収は2200ドル。評価記述に合致するもの。)

ただし、上記のページは非常に曖昧な書き方していて、本当にどっちなのか判断が付きづらいです。どっちの資格を満たしているか知りたい方は、シンガポール政府が無料のアセスメントサービスを公開しているので、こっちで検索してみてください。

www.mom.gov.sg

シンガポール就労ビザの注意点

シンガポール就労ビザの注意点は、日本と違ってビザと会社が紐付いている点です。会社がスポンサーとなってビザが発行されるので、退職すると一定期間をおいてビザが失効し、国外退去となってしまいます。

例えば、雇用主が外資系でシンガポールから撤退を発表し、オフィスを閉じて従業員を解雇するみたいな事になった場合、しばらくするとビザも無効になります。

国外退去とならないためには、就労ビザが有効な間に次の就職先を決め、就労ビザが発行されている必要があります。

PR(永住権)の場合は、会社と紐付いているわけではないので、退職してもビザは執行せず、自由に転職活動もできます。

申請手順と申請に要する期間

申請手順は以下の通りです。

  • 雇用主からオファーレターをもらう
  • IPA (In-principle approval) 申請に必要な書類を用意する(2週間程度)
  • IPAを申請する(申請から発行まで約2 - 3週間程度)
  • シンガポールに入国する
  • 健康診断を受ける(結果取得までに5日程度)
  • MOMで就労ビザを申請する(1時間程度)
  • カードが届く(登録後、5営業日)

申請手順

雇用主からオファーレターをもらう

まずは、就職先を見つけるところから。

  • 転勤の場合は、人事発令が内定した段階で会社からオファーレターが出ると思います。
  • 現地企業に直接雇用してもらう場合は、採用面接を受けて、内定をもらいます。シンガポールの会社は、リモートでの面接だけで内定を出す会社もあるようです(どれくらい一般的かは不明)。

IPA (In-principle approval) 申請に必要な書類を用意する(2週間程度)

このIPAは、シンガポールから「あなたに、こういう要件での就労ビザを発行しますよ」と許可をもらった証拠となる文書です。就労ビザそのものではないので、シンガポールに入国して、IPAとその他必要書類をMOM(Ministry of Mon power)に提出して、実際の就労ビザを発行して貰う必要があります。

www.mom.gov.sg

IPA申請に必要な書類は、MOMのWebサイトに記載がありますし、会社から転勤で行く場合は、人事やエージェントが色々教えてくれるのでそれに従ってやればOKです。

私の場合、以下を提出しました。オンライン申請なので全てPDFにして提出します。

必須のもの

  • 記入済みIPA申請書
  • オファーレター
  • パスポート
  • 学歴証明(大学が発行する卒業証明書の英語版)
  • 卒業証書(卒業式でもらうやつ)・・・なぜこれが必要なのか不明

追加で出したもの

  • 婚姻関係の証明書(妻との関係が記載されている戸籍謄本を使用)とその英語

追加で出す文書は、その人の状況によって変わるので、一概にこれとは決まりません。 もし、転勤で家族が帯同する場合は、申請者本人とその家族の関係を証明する資料の提出は求められると思います。

IPAを申請する(申請から発行まで約2 - 3週間程度)

IPAの申請・受取りはMOMのWebサイトでオンラインです。私が約5年近く前にアメリカのJ1ビザ(研修用)を取得した際は、大使館で紙の申請でしたが、シンガポールは効率的です。

ここの手続きは人事またはエージェントがやってくれるので、特にすることはないと思います。 通常は、申請から約2-3週間でIPAが発行されます。

私の場合、申請後、1週間程度後に追加のドキュメントとして、なぜか卒業証書を要求され、提出後、さらに3週間近く待ちました。最初から出しておくのが無難です。

ここでIPA就労ビザの種類が確定し、EPなのかS passなのか判明します。

シンガポールに入国する

アメリカの場合、日本国内の大使館でビザが発行されますが、シンガポールIPA(ビザ発行の許可書)が出た段階で、渡航し、現地の政府オフィスでビザを申請して初めてビザが発行されます。

IPAが発行されると、通常、約1ヶ月以内にMOMで就労ビザの申請をする必要があります。IPAがいつ発行されるのか分からないのに、発行されたら1ヶ月以内にシンガポールで申請しないといけないので大変です。

よほどのことがない限り、IPAは1ヶ月程度出でるので、渡航時期を計算して、引っ越し準備をしておく必要があります。

健康診断を受ける(結果取得までに5日程度)

ビザ申請時の要件として、就労ビザ用の健康診断結果があるため、MOMに行く前に健康診断を受けておく必要があります。私の場合、会社から病院を指定されましたが、就労ビザの健康診断をサポートしている病院であれば、どこでも良いそうです。

なお、この健康診断は、HIVなど重い病気になっていない確認するためで、血液検査・X線・医師の問診で終わりです。だいたい5営業日程度で結果が出ます。

MOMで就労ビザを申請する(1時間程度)

健康診断の結果が出ると、MOMで就労ビザの申請ができるようになります。申請は予約制なので、事前にオンラインで予約しましょう。

予約が取れたら、予約日に必要な書類を一式そろえて、申請すると、顔写真撮影・指紋登録を終えて、就労ビザの申請が完了。だいたい待ち時間含めて1時間程度で終わりました。

カードが届く(登録後、5営業日)

だいたい申請から5営業日くらいで就労ビザであるカードが届きます。カードには、QRカードがついており、専用のアプリ SGWorkPass でQRコードを読むとビザの詳細(職種、会社、有効期限など)が閲覧できます。

www.mom.gov.sg

以上で、就労ビザ申請が終わりです。 だいたいは、書類を用意して、提出して、待つの繰り返し。スケジュールが完全に確定できない中、ビザ申請と引っ越しが平行して走るので、ちょっと不安な気持ちになりますが、無事に発行されて働き始めると晴れ晴れとした気分になります。

本記事がこれからシンガポールで働くかもしれない人の参考になれば幸いです。

シンガポールでのお釣りの返し方が不思議

シンガポールのレストランで食事した際に現金で支払うと、お釣りの返し方が変なことに気づきます。

 

例えば、普通のレストランで会計が税込で12.2ドルだった場合は、お店側が税込後の価格を12ドルに丸めているのです。え、それお店側損してない?と思いつつ、12ドル出すと何の問題もなく会計終了。

 

海外では、おそらく細かい小銭を扱うのめんどくさという理由でしょうが、細かいお釣りを返してくれないみたいなケースはたまに見ますが、レジで自動的に金額を丸めているケースは初めて見たので驚きました。

 

まあ、1セント単位を扱う労力を考えたら、あえて丸めて支払い業務を簡素化するのは合理的だなと思っていつつ、シンガポール人の妻に聞いてみるとシンガポールでは2013年に1セントが廃止されたそうで、1セント単位は四捨五入しているそうです。

Singapore dollar - Wikipedia

(2013年からの硬貨を見ると一番下は5セントです)

 

よって会計の時にレジが四捨五入していた理由は、1セントが廃止されたから。

でも、シンガポール政府が1セントを廃止した公式な理由は見つけられていませんが、おそらくは、こういう細かいお金を管理することに労力を割くのは合理的ではないという判断なのではないかと思います。

 

合理的で、きっぱりと細かいことを切り捨てるところは、シンガポールらしい気がします。